渋沢百訓饅頭開発秘話【3】

東京都北区の王子にある飛鳥山公園には、渋沢史料館があり、北区でも、古くから渋沢栄一の事をより知ってもらおうとしてきていたが、いよいよ大河ドラマで渋沢栄一が主人公として取り上げられること、そして2024年には1万円札の顔になることで、北区も盛り上がってきた。

そして、私たちも北区にある企業として、北区にも様々な名所があり、全国の方に東京都内の方にも、北区をもっと知ってもらい訪れてほしい、そして渋沢栄一の晩年の棲み処となった北区だが、まだまだ渋沢栄一の事を知らない人達にもっともっと知ってもらいたいという想いから、お土産にもなるような北区発渋沢栄一商品を企画開発しようということになった。

前回、饅頭に開発について触れたきたが、この商品はただ美味しいだけではおさまらない。

 

【パッケージへのこだわり】

 

■100通りの訓言入り袋

渋沢栄一といえば、多数の文字を残し、その考え方、教えを習ってきた人々が実に多い。渋沢栄一が関わった人々の地や企業には、数々の訓言を残し、それらを掛け軸にされている店や企業などもあり、これまでの日本の発展が、彼の好奇心から決断、行動、実行をしていったからこそ周りを巻き込み世の中のために、日の本(日本)のためにとなっていったのだと改めて感じとることができる。

それらを我々が今後どのように学びと継続ができるのか、まだまだ知られていない渋沢栄一の偉業をどのように広めることができるのだろうかと考たとき、饅頭のパッケージひとつひとつに訓言をいれて、学びながら感じて食べてもらいたいとう発想につながった。

今や渋沢栄一について販売されている本はたくさんある。その中でも、日経ビジネス文庫の「渋沢栄一100の訓言」は2010年8月に発行され、それから何度も増刷されている超ロングセラーだ。

渋沢栄一100の訓言

渋沢健著

 

会社内にたくさん本を読むように勧めてくれた人がおり、(この方はかなり前向きなシニア層の方)この本を勧めてくれた。

そして私はここから100の訓言を出していこう!と決めた。

本には著作があるので、まずは出版社と著者に使用できるかどうか確認する必要があった。出版社の担当と著者の渋沢健氏は快諾してくれた。「出来あがったら見せて下さい」といわれた。これで商品のイメージが固まった。

渋沢健さんと渋沢百訓饅頭

パッケージに100通りの印刷をするという事はかなりハードルが高い。コストもかかりずぎる。最初は、100通りとはせずに、シールを帯状に貼るようなデザインであれば良いと思っていた。饅頭の製造工場ラインには、シールを自動貼りしている商品があると聞いていたからだ。

ところが。。。

「それはできません。」と予定していたことを見事に打ち砕かれてしまった。

「それでは困る、これでいくと決めたのだから、別の方法を考えよう。。。」

そこで、ようやく可変印刷という手法があることにたどり着き、この方法で印刷することで100通りの袋印刷をすることができるようになった。

ひとつひとつ違った訓言を。

1⇒心を常に楽しもう から始まり、100⇒富を永続させよう…まで。更に100通りのQRコードをとり読み込むと、それぞれの100の訓言の文献、現代での要約などを確認できるようにした。

ここには、英語、中国の簡体文字、台湾での繁体文字を併記して、日本のことをもっと知ってもらえるように翻訳したものをいれた。これは社内にいるそれぞれの国籍のメンバーがこれら難しい訓言をひとつひとつ読み解き、ネイティブがわかるように翻訳してくれたものだ。

■遊び心で渋沢百訓占い

もうひとつ遊び心として、毎日占いのように行動指針を示してくれるようなものを作りたいと思い、自分のインスピレーションで選べるようにシステム設計した。確認したい日付け、自分の誕生日、その時感じたインスピレーションカラーを選択してもらうと1/100の何かがでてくる。

渋沢100の訓言占いはコチラ!扇をクリック

 

■パッケージの色に悩む

今となってはこれで良かったと思えるのだが、食品でブルー系を使うと食欲減退の色といわれ、購買動機にに支障をきたすかもしれない。。。

渋沢栄一といえば、埼玉深谷出身で藍玉販売を家業としており、その時代江戸では異国人に「ジャパンブルー」といわれるほど、藍染めの着物を着ている人や、お店の暖簾なども藍一色だったので、藍を使いたかったが悩みに悩んだ。

藍染めにも染める段階によってたくさんの色がだせるように、鮮やかで派手な藍色を出すことで、ジャパンブルー(日本)の明るい未来を創造したいと思い、この色に決めた。そして黄色を使用することで、渋沢栄一がこれまでに積み上げた歴史の重みと、輝かしい功績を表現でき、海外での活躍や日本に海外文化を齎すことから和と洋のイメージを組み合わせたモダンなデザインをとりいれることにした。

ビジネスマンもどなたでも御進物としてお届けできるようなパッケージと、自分へのご褒美としてちょっと買いできるような洒落たブック型パッケージをつくることにした。

 

■商品ロゴ

栄という文字。これは渋沢栄一の「栄」をとっている。「栄」の旧字体は「榮」。燃える火(たいまつ)が火の粉のように盛んに輝き「栄」を囲む「水引円=縁を結ぶ」と右肩上がりの結び目で益々の繁栄を願う意味を込めてデザインした。これを購入して下さった皆さんがそれぞれ繁栄されることを祈願したい。

 

 

こうしてできた商品は、たくさんの人の力を借りて出来上がったものだ。関わった人達が渋沢栄一をあまり知ることなくスタートした商品開発。ここで勉強しながら出来上がった商品は、ただ美味しいだけではなく、それぞれが渋沢栄一の訓言を理解しながら出来た学びの商品であり、我らの誇りでもある。

 

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